「美しい星」は三島由紀夫原作の異色SF映画!衝撃的なラストが観客を唸らせる

美しい星


2017年春に公開された映画、『美しい星』。三島由紀夫原作のSF小説『美しい星』を実写化した作品として、注目を集めていました。

この映画を見ていない方でも、リリー・フランキーが妙なポーズをとっている予告映像は知っているという方も多いのではないでしょうか。

リリー・フランキーのほか、高橋愛や亀梨和也、佐々木蔵之助など、豪華な俳優人で演じられたこの作品の魅力について、ここではご紹介したいと思います。

 

三島由紀夫原作の異色SF映画

三島由紀夫といえば、『金閣寺』や『英霊』などの作品で、戦後の小説界をにぎわせた知名度の高い小説家です。

小説は読んだことはなくても、名前だけは知っているという人も多いのではないでしょうか。

そんな彼が遺した異色のSF小説が、この映画の原作となった『美しい星』です。

小説は1950年代が舞台となっていますが、映画では2017年を舞台にリメイクされています。

¥637 (2018/12/10 08:51:02時点 Amazon調べ-詳細)

物語は、天気予報士の大杉重一郎がある日突然、「火星人」としての使命に目覚めるところから始まります。

彼が「火星人」であることを自覚した後、息子の一雄は「水星人」に、娘の暁子は「金星人」に目覚めるのです。

突然、宇宙人としての自覚に芽生えた家族のなかで母親の伊余子は唯一覚醒しないものの、怪しげな天然水の商法にはまっていきます。

もともとバラバラになりつつあった家族が、宇宙人として覚醒することによってさらにすれ違い、社会的にも逸脱していくという物語。

大杉家が、客観的に見ておかしな行動をとるようになる様子がテンポよく描かれているため、どんどん映画の中に引き込まれていきます。

 

破滅的な方向へと進んでいたそれぞれの家族が行き着いた物語のラストは、想像の斜め上を行くものとなっています。

どんでん返しのラストとなっているので、驚く人も多いはず。この衝撃的なラストも、この映画の最大の魅力ともいえるでしょう。

¥3,163 (2018/12/10 08:51:03時点 Amazon調べ-詳細)

 

実力派俳優陣の演技力

この映画のもうひとつの魅力は、俳優陣の演技にあります。

大杉家の大黒柱、重一郎をリリー・フランキー、長男の一雄を亀梨和也、長女の暁子を高橋愛、そして母親の伊余子を中嶋朋子が演じています。

他にも、佐々木蔵之介や春田純一など、豪華な俳優陣が脇を固めています。

 

大真面目に宇宙人としての自覚を訴える大杉家。

客観的に見れば狂人のようにも見える家族をそれぞれの俳優陣がめいいっぱい演じる様子には、笑いが漏れることもあると同時に、少し不気味さすら覚えます。

実力派ぞろいだからこそ感じる感覚だと思います。

 

独特の物語設定とメッセージ

映画『美しい星』の魅力を語るにあたって、監督である吉田大八の存在は外せません。

『桐島、部活やめるってよ』でメガホンをとったことで有名な吉田大八監督。独特のセンスと切り口で物語を進めつつも、鋭いメッセージを発信する監督としても知られています。

『美しい星』は、ところどころ笑いが盛り込まれているような、ユーモラスのあるSF映画ではありますが、そこには家族愛や自分の力で生きていくことの重要さがメッセージとして盛り込まれています。

 

物語の後半、重一郎と息子の一雄が「火星人」と「水星人」として、環境問題にひきつけて地球上における人間の必要性について討論するシーンから、そのメッセージは主張されていきます。

地球にとって害になる人間はそもそも地球上に必要ないとする「水星人」の一雄に対して、それでも人間は必要だと反論する「火星人」の重一郎。

彼らの議論は、拡張高く、三島由紀夫の原作のメッセージをそのまま取り込んでいるからこそ、夢見がちで浮き足立ったものとなってしまいます。

しかし、吉田大八はそんな拡張高いメッセージを、家族の問題へと落とし込み、「父」と「子」の喧嘩へと発展させるのです。

地球上の問題という高尚な議論から家族の絆への問題へと焦点をずらし、大杉家がひとつにまとまる展開へと持っていく構成は見ている者を唸らせるほど鮮やかです。

また、そうした鮮やかなラストの最後に待っているオチは、予想の斜め上を行くもの。

この映画がSF映画だということを思い出させる衝撃的なものとなっています。

 

最後に

ユーモアもあり、家族愛も盛り込まれた『美しい星』。

面白さもありながら、俳優陣の本気の演技力によって大杉家の狂気に薄ら寒さすら感じる作品です。

しかし、鑑賞後は映画のメッセージに心があたたまるような感覚と共に、吉田大八監督の描く不思議な世界観にどっぷり浸っている作品です。

¥3,163 (2018/12/10 08:51:03時点 Amazon調べ-詳細)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA