映画批評 ノンフィクション映画ヒューマン映画洋画 【批評】「ユナイテッド93」が見せる「もうひとつのアメリカ同時多発テロ事件」 2021年3月9日 2011年9月11日に発生した「アメリカ同時多発テロ事件(9.11)」は、史上最悪の大規模テロ事件として世界に衝撃を与え、その爪痕は今もさまざまなかたちで残っています。 一般的には「ワールドトレードセンターに2機の航空機が突っ込んだ事件」として知られるこのテロ事件。 あまり知られていませんが、実はこの2機とは別に2機の...
映画批評 アクション映画サスペンス映画洋画 【批評】「アトミック・ブロンド」は”古き良きスパイの時代”と”現代アクション”のハイブリッド 2021年2月26日 多くのスパイ映画は、緊張感をもってじっくりと見せるリアル路線か、「007」や「ミッション:インポッシブル」シリーズのようなド派手なアクション路線かの2種類に分かれます。 そんな中で、その2種類の「ハイブリッド」と呼べる異色の内容に仕上がっているのが、2017年公開のスパイアクション映画「アトミック・ブロンド」です。 静...
映画批評 アクション映画パニック映画洋画 【批評】「ジュラシック・ワールド/炎の王国」が見せた”恐竜たちの国”の終わり 2021年2月23日 映画の歴史を変えた傑作「ジュラシック・パーク」から「ジュラシック・ワールド」へ、その世界観の歴史は脈々と受け継がれてきました。 登場人物もストーリーも移り変わっていく中で、変わることなく世界観の中心的な存在となってきたのが「恐竜たちの国」そのものであるイスラ・ヌブラル島です。 そんなイスラ・ヌブラル島の崩壊を描いた「ジ...
映画批評 Netflixオリジナル作品サスペンス映画ヒューマン映画邦画 【Netflix】「愛なき森で叫べ」はキャストの圧倒的な怪演で「人間の残酷さ」を見せる極限のヒューマンドラマ 2021年2月4日 独自資本によって、これまでの映画界の常識にとらわれない異色作を数多く生み出してきたNetflix。 そして、邦画界きっての個性派監督として独自の世界観を描き出してきた監督・園子温。 このタッグによって生み出された映画「愛なき森で叫べ」は、異常ともいえる熱量で人間の残酷さをまざまざと描き出した極限のヒューマンドラマです。...
映画批評 サスペンス映画ヒューマン映画戦争映画洋画 【批評】「運び屋」と「アメリカン・スナイパー」は”人間”を両端から描いている 2021年1月22日 ハリウッドで俳優としても監督としても長年活躍し、特に21世紀に入ってからは数々の名作を作り出してきたことで知られるクリント・イーストウッド。 彼の作品の中でも、アカデミー賞にもノミネートされた「アメリカン・スナイパー」と、自身が主演した「運び屋」は、近年の傑作として大きな話題を集めました。 この2作品は、彼の映画でよく...
映画批評 アクション映画コメディ映画スリラー映画洋画 【批評】「オーシャンズ8」はシリーズの本質を完全再現した”リブート映画”の正解例 2021年1月15日 豪華キャストによるスマートな盗みを描く「オーシャンズ11」から始まる3部作は、ハリウッドの中でも唯一無二の魅力を持ったシリーズとして人気を集めてきました。 その記念すべき1作目「オーシャンズ11」のリブート作である「オーシャンズ8」は、シリーズの主人公ダニー・オーシャンの妹を主人公に据えた、まさに「女性版オーシャンズ1...
映画批評 アクション映画洋画 【批評】「ワイルド・スピード」シリーズをどうしても好きになれない理由 2020年12月15日 「ワイルド・スピード」といえば、ド派手なカーアクションが魅力の大人気メガヒットシリーズですよね。 今やハリウッドを代表するロングヒット作品のひとつと言えるでしょう。 そんな「ワイルド・スピード」シリーズですが、筆者個人的にはそのストーリーを見ていて、どうしても「好きになれない部分」があります。 なぜ「ワイルド・スピード...
映画批評 アクション映画洋画 【批評】「ザ・ロック」は今も最高のエンタメアクション映画だ 2019年10月9日 ニコラス・ケイジとショーン・コネリーというハリウッドスターのW主演で、「FBI捜査官と謎の男」の共闘を描いたアクション映画「ザ・ロック」。 公開は1996年で、すでに20年以上前の作品ですが、今観ても全く色あせない面白さがあります。 「ザ・ロック」がなぜアクション映画史に残る名作なのか、その理由は大きく2つあります。 ...
映画批評 ノンフィクション映画ヒューマン映画歴史映画洋画 【批評】「デトロイト」が描いたのは「普通の社会」の中に潜む狂気の瞬間 2019年8月3日 アメリカ社会において、「人種問題」は今でも大きな課題のひとつになっています。 直接的な差別が改善された今でも、貧富の差や社会的な信用度など、「白人とそれ以外の人種」ではまだまだ格差があります。 アメリカに根深く残る人種問題を考える上で、2018年公開の「デトロイト」は重要な意味を持つ作品です。 その作中では、「差別はな...
映画批評 ヒューマン映画戦争映画歴史映画洋画 「ヒトラー ~最期の12日間~」は、徹底的に「一人の人間」としてのヒトラーを描いた傑作 2019年1月27日 ナチスドイツが敗北する直前の、ヒトラーの最期の日々の描いた「ヒトラー ~最期の12日間~」。 ナチスを題材にした映画ではアクションやサスペンス色の強い作品が多い中、この作品は「ヒトラー」という一人の人間の内面に徹底的に迫った異色の作風で話題になりました。 第二次世界大戦の歴史に新しい視点をもたらす映画として、まさに「傑...