【批評】「コンジアム」が最恐のロケーションで見せる、背筋の凍る恐怖

【批評】「コンジアム」が最恐のロケーションで見せる、背筋の凍る恐怖


「心霊スポットで肝試し」。それは、ホラーが苦手な人にとっては想像するだけで鳥肌が立つ行為でしょう。

2018年に韓国で公開されたホラー映画「コンジアム」は、そんな心霊スポットホラーの究極系として大きな話題を集め、韓国ホラー映画の興行収入記録で歴代2位という偉業を成し遂げました。

背筋の凍る恐怖を見せてくれるその内容に迫ります。

最恐心霊スポット「コンジアム精神病院跡」で描かれる恐怖

実在の心霊スポットでロケを敢行

タイトルにもある「コンジアム」は、映画の舞台となる廃墟「コンジアム精神病院跡」からとられています。

この場所は実際に存在していて、青木ヶ原樹海などと併せて「世界七大禁断の地」としてCNNで紹介されるなど、正真正銘のいわくつき心霊スポットとなっています。

そんなコンジアム精神病院跡でロケを敢行したこの作品、とにかく「臨場感」が凄まじいです。

撮影ではコンジアム精神病院跡と釜山にある寄宿舎跡(こちらも人気心霊スポット)が使われたということで、背景に映るのはすべて本物の心霊スポットの景色。

画面から伝わってくる禍々しい空気は、たとえ霊感がまったくなくてもそこが「本当にヤバい場所」だと教えてくれます

最恐と言われる心霊スポットだからこその、圧倒的な説得力が感じられるロケーションです。

動画配信者たちが直面する絶望的なパニック

そんなコンジアムで壮絶な心霊現象に襲われる登場人物は、人気動画配信チャンネルを運営する若者たち。

映画はこの登場人物たちが実際に撮影する映像で進行する、いわゆる「POV」「フェイクドキュメンタリー」形式になっています。

薄暗く不気味なシチュエーションでの恐怖を手持ちカメラで映す、という点では「REC/レック」や「グレイヴ・エンカウンターズ」などが作風的に近いでしょう。

このPOV方式の弱点として「手持ちカメラだから映像がぶれて分かりづらい」というのがありますが、「コンジアム」ではその点がうまく解決されています。

登場人物たちはセミプロの動画配信者ということで、撮影設備は暗視カメラやセンサー付き固定カメラ、自身の顔を映す小型カメラなど、かなりの充実度です。

そのため、POVながら「心霊現象が起こる瞬間」「その場所の全容」「登場人物たちの表情」がそれぞれしっかりと収められて見やすくなっています

何が起こっているのかよく分かる一方で、しっかりと臨場感ももって楽しめるでしょう。

超王道のPOVホラーが展開

隙のない恐怖描写でロケーションが活きる

「コンジアム」で描かれる恐怖描写は、POVホラーの王道を行く内容です。

壁に不気味な染みがある、ドアが勝手に閉まる、といった小さな出来事に始まり、ポルターガイストや呪いが起こり、しまいには”何か”が追いかけてくる……という、ベタながら隙のない描写が続けざまに叩き込まれます。

そんな中で活きるのが、やはり「ロケーション」です。

王道の恐怖描写に圧倒的な空気を放つコンジアム精神病院跡の背景が合わさることで、作り物のセットではまず表現できない、凄まじい切れ味の世界観が生まれています。

この「恐怖」の存在感こそが、「コンジアム」が話題になった最大の理由でしょう。

キャストたちの渾身の演技も恐さに拍車をかける

この恐怖描写を実現させる上で、キャストたちの鬼気迫る演技も欠かせない要素です。

出演者は主に若手の無名俳優が並んでいますが、前半ではカメラに向かってキメキメの笑顔を作っていたのに後半では壮絶な表情で逃げ惑っていて、その迫真のリアクションはまさに名演です。

何しろキャストたちは本物のコンジアム精神病院跡にいるわけで、不気味な心霊スポットの奥深くを少人数で歩き回って本人たちも恐くないはずがありません。

おそらく本心から恐怖を感じている部分もあったからこそ、ここまでインパクトのある演技が生まれたのではないでしょうか。

また、撮影チームの面々はもちろん、幽霊役のキャストの心情も見ていて想像してしまいます。

世界的心霊スポットの奥地で、特殊メイクをしてボロボロの薄着で待機して……と考えると、なかなか嫌な役回りだったのではないでしょうか。

そんな想像をしてしまうほど、「コンジアム精神病院跡」という場所の存在感が圧倒的です。

最後に

常に画面から異様で禍々しい空気が漂い、度肝を抜く臨場感で恐怖を感じさせてくれる「コンジアム」。

韓国ホラー映画史に残る記録を打ち立てたのも納得の、壮絶なPOVホラーに仕上がっています。

まるで心霊スポットの中に飛び込んだようなインパクトを見せてくれる最恐の作品として、おすすめです。

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