この記事では、東野圭吾さん原作『流星の絆』の原作とドラマの違いを解説します。『流星の絆』は、原作とドラマの間でいくつかの違いがあるそうなんです。現在も時折トレンドに上がるほどの話題作だった『流星の絆』について、キャストやラストのネタバレを含む概要を解説していきます。先に作品を見たい人は、このあと【ネタバレ】と書かれた部分は読まずに作品を楽しんでくださいね。
『流星の絆』原作とドラマの違いは?
『流星の絆』は原作が東野圭吾さんということで、ドラマ化された際にも大きな話題になりました。さらに、ドラマの肝となる3兄妹のキャスティングや担当刑事に至るまで、配役が豪華!原作の発行部数が作者最速のペースで25万部を超え、ドラマ放送の影響でロングセラーとなりました。売れ行きの良い小説が実写化されると「がっかりした」「原作と違った」と酷評される作品も多い中、流星の絆はドラマの評判も良く、原作の違いも肯定的に受け入れられているようです。
物語に欠かせないはずの店や設定が原作には登場しない
『流星の絆』では、ミステリーがベースとなったストーリーの中で「物語に欠かせない」とされる店や設定がいくつもあります。まず、調理師を諦めた長男の功一が住み込みで働いていたカレー屋「ジョージクルーニー」は、原作では登場しません。原作で功一はデザイン関係の仕事をしていますが、ドラマではこの「ジョージクルーニー」の店主が3兄妹の親代わりをしており、物語の中心となる設定です。
中島美嘉の特別出演
『流星の絆』ドラマでは、中島美嘉さんが特別出演したことも話題になりました。中島美嘉さんが演じたサギという女性もまた、原作に登場しないオリジナルキャラです。サギは有明3兄妹に協力し、詐欺に加担する謎の女。中島美嘉さんは本作の主題歌を担当していたことから、原作にない役を演じることに関しても好意的な声が多かったようです。
出典:과몰입러
家族の血縁関係が違う
『流星の絆』原作とドラマでは、家族の血縁関係が違います。原作では、有明3兄妹の両親は内縁関係でした。原作とドラマで共通している設定は、有明3兄妹の父親が功一と泰輔の2人を連れての再婚だったことと、母親は末っ子の静奈を連れての初婚だったことです。原作では、この母親が静奈の父親から養育費をもらうために、功一と泰輔の父親と入籍しなかったという設定になっています。ドラマでは正式に結婚しており、功一・泰輔・静奈は兄妹になりました。
詐欺をはたらくターゲットが違う
『流星の絆』原作とドラマでは、有明3兄妹が詐欺をはたらくターゲットの設定が違います。原作では、金持ちと断定した大手洋食チェーン「とがみ亭」の専務である男をターゲットに、末っ子の静奈が美人局となって金を巻き上げていました。ドラマで詐欺のターゲットになったのは、静奈の上司で性格に難ありの男でした。
桐谷健太なら流星の絆に出てたこの頃の桐谷健太も愛せます( ´•ᴗ•ก) pic.twitter.com/JqIrb1Dp65
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原作では最初から詐欺のターゲットとして男に近寄りますが、ドラマではより身近で、性格の悪い上司を狙っているという点が違っています。
3兄妹の本職が違う
『流星の絆』のドラマでは、真犯人を捕らえるために有明3兄妹が詐欺をはたらきますが、あくまで副業のような形でおこなっていました。3兄妹にはそれぞれ本職があり、ひそかに「アリアケ3」という詐欺グループを結成します。しかし、原作では詐欺を本業としており、常習的におこなっています。3兄妹が無職であるという設定が、ドラマとの大きな違いでしょう。
真犯人の最後
『流星の絆』原作では、追い詰められた真犯人が自死するというエンディングを迎えます。しかし、ドラマでは真犯人に生きて罪を償わせるという終わり方をします。原作で犯人が亡くなる際には遺書が残されており、自分が犯人であると書かれていました。その点、ドラマでは犯人が死亡しないため、遺書ではなく普通の手紙が手渡されます。その手紙は、刑事によって読み上げられる形となりました。
『流星の絆』キャスト
それでは、ドラマ『流星の絆』のキャストをご紹介します。
| 役名 | 俳優 | プロフィール |
| 有明功一 | 二宮和也 | 有明3兄妹の長男。調理師の道をあきらめてカレー屋「ジョージクルーニー」で働いている。 |
| 有明泰輔 | 錦戸亮 | 3兄妹の次男で、口の悪い今どき風の青年。 |
| 有明静奈 | 戸田恵梨香 | 3兄妹の末っ子だが、兄2人とは血縁関係がない。「しー」と呼ばれ兄たちから可愛がられている。 |
| 戸神行成 | 要潤 | 洋食チェーン店「とがみ亭」の御曹司で、真面目で優しい変わり者。静奈に騙され交際しているが、本気である。 |
| 戸神政行 | 柄本明 | 「とがみ亭」経営者で、行成の父。 アリアケのレシピを盗むために2人を殺害したと疑われる。 |
| 矢崎信郎 | 国広富之 | 静奈の実父だが認知はしていない(原作ではしていて養育費を払っている)。 |
| 萩村信二 | 設楽統 | 3兄妹の両親が殺害された事件の担当刑事。3兄妹を気にかけ見守っている。 |
| 柏原康孝 | 三浦友和 | 3兄妹の両親が殺害された事件の担当刑事。昔、アリアケのハヤシライスを食べたことがある。 |
| 有明塔子 | りょう | 3兄妹の母親で、洋食店「アリアケ」を営む。静奈の実母。 |
| 有明幸博 | 寺島進 | 3兄妹の父親で、洋食店「アリアケ」を営む。功一と泰輔の実父。 |
| 林譲二 | 尾美としのり | カレー店「ジョージクルーニー」店主。以前は児童養護施設の園長として3兄妹の親代わりをしてきた。 |
| 高山久伸 | 桐谷健太 | 静奈に嫌がらせをし詐欺のターゲットにされた男。 |
| サギ | 中島美嘉 | 3兄妹の詐欺に加担する謎の女。 |
【ネタバレ】『流星の絆』のラストシーン
では、ここからは『流星の絆』ラストシーンを解説します。ネタバレになりますので、先に作品を見たい人は飛ばしてくださいね。『流星の絆』ラストシーンで、まさかの犯人として挙げられたのは、ずっと担当刑事をしてきた柏原康孝でした。犯人と疑われていた戸神政行が間違えて持って帰った傘に、真犯人である柏原の指紋がついていたのでした。柏原は14年前、金のトラブルで有明夫妻と揉め、衝動的に殺害。その後刑事として誰よりも早く現場に到着し、証拠を消し去っていたのでした。
まとめ
『流星の絆』原作とドラマの違いについて解説しました。基本的には原作に忠実で、さらにキャスティングが完璧だと好評だったために、ドラマ放送も大成功を収めた作品です。ところどころで原作にない設定が出てきたものの、それはドラマを構成する上で大事なアレンジだったのですね。おふざけ要素などどこにもないミステリー小説を、宮藤官九郎さん脚本でドラマ化したというのも、ヒットの秘密だったことでしょう。


















