デザイナーベイビーという言葉をご存知ですか?遺伝子操作によって生まれた赤ちゃんのことを、そのように呼びます。
『私の中のあなた』の主人公は、デザイナーベイビーのアナです。
白血病の姉を救うために生まれた彼女が、実の両親相手に訴訟を起こします。闘病中の姉と、家族たちの運命はいったいどうなるのでしょう。
予想を裏切られる展開に、涙があふれて止まりません。家族愛と思いやりに満ちた物語です。
自分らしく生きるために
白血病の姉ケイトのドナーになるため、遺伝子操作を受けてアナは生まれます。それからは、ケイトの為に手術を受け、病院通いを続ける人生を送っていました。
しかしある日、アナはケイトへの腎臓提供を拒否し、実の両親相手に訴訟を起こします。これ以上、姉の為に自分の人生を犠牲にするのは嫌だと言うのです。
アナの協力が無ければ、ケイトは生きることができません。仲の良い姉妹だからこそ、両親は彼女の行動に違和感を覚えます。
どうしてアナは、自らケイトを見殺しにするようなことをしたがるのでしょうか。その理由は、意外な所にありました。
この訴訟は、ケイトの差し金だったのです。自らの死期を悟ったケイトが、家族にこれ以上の犠牲を払わせないために考えた作戦でした。
全てが明らかになったとき、ケイトは母親に本当の気持ちを打ち明けます。そして彼女の願いどおり、安らかに生涯を終えるのでした。
闘病中の家族を描いたドラマに注目
アナの訴訟が物語の軸となっていますが、描かれるのはそれだけではありません。
病に侵されるケイトの葛藤や初恋等、様々なドラマが組み込まれています。
登場人物たちの心情が丁寧に表現されていて、ラストシーンでは涙をこらえることができませんでした。
姉妹の母親役を演じた、キャメロン・ディアスにも注目です。
ラブコメの女王と呼ばれる彼女が、コミカルな演技を封印しシリアスな役どころを演じきっています。とても見ごたえのある作品です。
命と家族について、考えさせられる作品
物語の序盤、誰もがアナに同情をするのではないでしょうか。姉を救うために、多くの犠牲を強いられてきた彼女の主張は尤もなことです。
だからこそ、この先の展開に驚きを隠せませんでした。
デザイナーベイビーというシリアスなテーマは、様々な議論を呼ぶと思います。しかしこの作品で描かれているのは、あくまでも温かい家族愛です。
何が正しくて、何が間違っているのか、白黒つけることは重要ではありません。
家族の絆の在り方は、一般論とはまた違う次元で存在するものだと感じました。
最後に
自分らしく生きることについて、深く考えさせられる作品です。
シリアスなテーマの中、温かい家族愛が描かれています。
とにかく泣ける映画を探しているとき、ぜひチェックしてみてください!