ロバート・A・ハインラインの名作SF小説「宇宙の戦士」は、作中に登場するロボットがあの「ガンダム」の元ネタになったことでも知られています。
そして、そんな「宇宙の戦士」を映画化したのが、この「スターシップ・トゥルーパーズ」です。
独特のテイストでカルト的人気を誇るこの作品の魅力を紹介します。
「スターシップ・トゥルーパーズ」のあらすじ
人類全体が「地球連邦」として統一され、軍事的な政府が作られた近未来。
人類は宇宙に進出して他の星を植民地化していましたが、そこで巨大な昆虫型のエイリアン「バグズ」と遭遇。長い紛争が続いていました。
さらに、バグズが小惑星を地球に送り込み、それによって人類に甚大な被害が起こるという事態が発生。地球連邦とバグズは、全面戦争に突入するのでした。
高校を卒業して海兵隊に入隊したジョニー・リコ(キャスパー・ヴァン・ディーン)は、厳しい訓練の末に一人前の兵士となり、小惑星で故郷を破壊された恨みからバグズに立ち向かい、兵士として成長・昇進していきます。
そして、闘いの日々が続く中、バグズたちを統率する「ブレイン・バグ」が発見されて……
SFホラーファンの間で大きな話題に!
人類と巨大な虫型エイリアンの戦いをド迫力の映像で描いた「スターシップ・トゥルーパーズ」。監督は「ロボコップ」や「トータル・リコール」など、様々なSF映画の名作を手がけたポール・バーホーベンが務めました。
エイリアンと海兵隊の泥沼の戦闘シーンが見どころとなっていて、人体がバラバラになって血が飛び散る容赦ない描写は、SFホラーファンの間で大きな話題に。
カマキリやクワガタを合体させたようなバグズの映像は、90年代の映画ながらリアルなCGで描かれて、本当に目の前に巨大な虫の大群がいるようでゾッとさせられます。
さらに、まるで戦争を賛美するような近未来社会の描写も印象的で、「バカバカしく見えるほどに戦争や暴力を称賛することで、一周まわって軍事主義を批判する」という、痛烈な皮肉がこめられた社会派映画としての一面も持っています。
興行的・批評的にはあまり成功とはいえない結果でしたが、グロテスクな映像表現や手厳しいブラックジョークにまみれた独特の作風で、公開から20年以上が経った今でもカルト的な人気を誇る作品です。
最後に
映像的にもストーリー的にも刺激の強いテイストで、色々な意味で伝説的なSF映画となっている「スターシップ・トゥルーパーズ」。
一見ただのB級パニックアクション映画に見せて、それだけでは終わらない皮肉たっぷりのストーリーのおかげで、エッジの効いたインパクト抜群の怪作に仕上がっています。
アクション映画としても社会派映画としても見どころ満載の作品ですが、過激な描写が多いので、お子さんや心臓の弱い方は視聴厳禁です。観るときは、しっかり心の準備をしてから手に取ってください。