名作おすすめ野球映画「アゲイン 28年目の甲子園」

アゲイン 28年目の甲子園


昨年の東京五輪では、37年ぶりとなる悲願の金メダルを獲得した侍ジャパンに日本中が熱狂しました。また春夏の風物詩である甲子園での高校野球選手権やプロ野球と日本人には欠かせないスポーツの野球。そんな野球大国の日本では、野球を題材にした映画も多く制作されています。中でも今回は、重松清原作の「アゲイン 28年目の甲子園」をご紹介します!

 

永遠の高校球児たちへ!

元高校球児が再び甲子園を目指す実在の大会「マスターズ甲子園」を舞台に描かれた映画『アゲイン 28年目の甲子園』。直木賞作家であり2005年よりマスターズ甲子園の応援団長も務める重松清の「アゲイン」が原作となっており、再び夢を追う不器用な父親たちの物語です。監督・脚本は『風が強く吹いている』(2009)で日本映画批評家大賞新人監督賞・作品賞を受賞した大森寿美男。その確かな演出力で、力強くも彩りのある表情豊かな人間ドラマを映し出します。またクライマックスの野球シーンは、実際に甲子園球場を使用して行われています。

 

豪華なキャスト陣

46歳の元高校球児・坂町晴彦役には、中井貴一。亡き父の思いを辿る娘の美枝役には、波瑠(はる)が抜擢されました。そして元ピッチャー・高橋役に柳葉敏郎、元野球部のマネージャー・裕子役に和久井映見と実力派の共演が実現。また工藤阿須加や、門脇麦、仲野太賀など注目の若手俳優も映画にさらなる魅力を添えています。

 

ストーリー

青春なんて遠い昔の思い出。そう思っているあなたへ。「マスターズ甲子園」事務局から来たという大学生・美枝の突然の訪問に戸惑いつつも、実は高校野球部の仲間だった松川の娘と知って家に招き入れた坂町。坂町は彼女から、長年音信不通だった松川が去年の震災で死んだことを知らされます。この出会いが、甲子園出場を逃した苦い過去を思い出させ、また元高校球児たちを再び甲子園への夢に駆り立てる――。遠い過去の苦い青春の悔いを乗り越え、人生に新たな一歩を踏み出す勇気をくれる、そんな傑作です。

 

レビュー

仕事や家庭に問題を抱える40台半ばの男たちが甲子園を目指し野球に打ち込むことで家族の絆を取り戻していくストーリーが感動的です。単純なストーリーではあるものの、グッとくるものがあり、涙なしには観られません。無言でただキャッチボールをするシーンがまた良いんです。伝えたい事があるなら、はっきりと言える時に言うことは大切。ただ、言葉にしなくても気持ちや想いが伝わることも、時にはきっとあるはず、この映画を観てそんな風に感じました。