「ジョーズ」にはじまる「サメ映画」というジャンルでは、人間は凶暴なサメと激しく戦い続けてきました。
サメといえば「どう猛な肉食魚」というイメージをもつ人が多いでしょうが、もしそんなサメに「高い知能」までが加わったとしたらどうでしょうか?
1999年に公開された映画「ディープ・ブルー」では、遺伝子改造で人間並みの高知能を手に入れたサメが、人々に襲いかかります。
異色のサメ映画として知られているこの作品について紹介していきましょう。
研究所でくり広げられるサメとの戦い
太平洋にある研究施設「アクアティカ」では、サメの脳細胞を利用して、アルツハイマー病の新薬を開発する研究が続けられていました。
しかし、なかなかその成果が出ないこと、実験用のサメが脱走する事故が発生したことなどから、研究にストップがかかります。
そこで研究責任者のスーザン(サフロン・バロウズ)は、社長のラッセル(サミュエル・L・ジャクソン)をアクアティカに招待して成果を見せようとするのでした。
ところが、成果実験の最中、サメが所員の一人に襲いかかります。さらに、サメたちの暴走によって、アクアティカは壊滅的に破壊されてしまいます。
崩壊していく施設の中で、所員たちはサメ監視役のカーター(トーマス・ジェーン)を中心に、脱出の道を探っていくのでした。
パニック映画の「お約束」を突き破る驚きのストーリー展開
人間並みの知能を持ち、強固な研究施設を破壊するほどの知恵が回るサメが登場する、異色のサメ映画「ディープ・ブルー」。
設定が独特なだけあって、そのストーリー展開も、一般的なパニック映画と比べると少し変わっています。
普通なら脇役で終わるキャラクターが意外なほど大活躍したり、ありえないようなタイミングでサメが襲ってきたりと、パニック映画が好きな人なら「大抵こうなるよね」と予想する「お約束」をことごとく破ってきて、意外過ぎるストーリーに驚かされます。
サメの映像は少しCGっぽさもありますが、「研究施設」という珍しいシチュエーションの中で自在に襲ってくるサメたちは、ものすごい迫力です。
サメ映画としては、100点満点のスリルを見せてくれます。
最後に
「ディープ・ブルー」は、ストーリー設定は異色ながら、パニックシーンやサメとの戦いでは、サメ映画として王道の盛り上がりを見せてくれます。
ハラハラすること間違いなしの映像の連続で、「サメって怖い……」と思わされるでしょう。
サメ映画が好きな人、ちょっとB級なモンスター映画が好きな人は、きっと大満足できる怪作です。