映画考察

【考察】J・J・エイブラムスが贈る脅威のSFワールド「クローバーフィールド」シリーズを解説

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クローバーフィールド

テレビドラマ「エイリアス」や「LOST」などを手がけ、現代SF界の第一人者として知られるプロデューサー、J・J・エイブラムス

そんなエイブラムスが2008年から力を入れているのが、「クローバーフィールド」シリーズです。

一般的な映画シリーズとは違い、それぞれの作品が世界観のつながりを持ちながらも独自のストーリーを展開する「クローバーフィールド」は、各作品はもちろん、その全体像をつかむのもなかなか難しいシリーズとして知られています。

今回はその内容をまとめて、整理しながら解説していきます。

作品ごとにがらりと変わる作風

「クローバーフィールド」シリーズは、同じ世界観とタイトルを持ちながらも、それぞれの作品がまったく別の映画と言ってもいいほどの独立性を持っています

まずは、各作品の内容と、その中で残された謎をまとめていきましょう。

 

POVパニックアクション「クローバーフィールド/HAKAISHA」

2008年公開の第1作「クローバーフィールド/HAKAISHA」では、真夜中のマンハッタンに突如現れた巨大な怪物の暴走が、一般市民の手持ちカメラの目線で描かれます

頭の真上を怪物が歩き、応戦する米軍や逃げ惑う市民、さらに人間サイズの怪物の群れまでが現れて入り乱れるパニック描写は、本格アクション大作として楽しめます。

POV(手持ちカメラによる一人称視点)の手法も合わさって、凄まじい臨場感をもった名作です。

さらに、「怪物はどこから来たのか」「事件の結末はどうなったのか」「事件前のホームビデオ映像に写り込んでいた『空から海に降る何か』の正体は」といったいくつもの疑問を残して終わり、観客にミステリアスで不気味な印象も残しました。

 

緊迫の密室監禁ホラー「10クローバーフィールド・レーン」

続く2作目「10クローバーフィールド・レーン」では、地下シェルターにこもる3人の男女のサバイバルが描かれます。

「シェルターの外には未知の化け物がいるから出られない」という話が本当なのか、シェルターの持ち主である男の妄言ではないのか……そんな、疑心暗鬼を誘うサスペンスホラー風のストーリーが見どころです。

続編という形ながら、1作目とは全くストーリーの関連がない作品として、逆に話題を呼びました。

また、直接のつながりがない一方で、「クローバーフィールド」という地名や「タグルアト社」という架空の企業名が引き続き登場するなど、確かな関連性を匂わせてファンにさらなる展開を期待させました。

 

不条理系SFパニックスリラー「クローバーフィールド・パラドックス」

2018年に公開された「クローバーフィールド・パラドックス」は、またまた作風が大きく変わって、宇宙ステーションを舞台にしたSFパニックスリラー風の仕上がりになっています。

未知の科学実験がきっかけで時空の歪みが起こり、異常現象が次々に宇宙飛行士たちを襲っていきます。

さらに、この「時空の歪み」という要素から、シリーズの他の作品の謎も解明される兆しを見せて、シリーズ全体が一気に進展しました。

その上で、「結末と1作目とのつながり」「怪物の正確な正体」「相変わらずはっきりしない2作目の立ち位置」など、さらなる謎も呼んで、ますます話題を集めています。

 

全容が掴めない世界観と、ファンによる独自考察

シリーズ3作品の概要を見ても分かるように、「クローバーフィールド」の世界観の最大の魅力は、全容が掴みづらいミステリアスさにあります。

SFファンの間では、それぞれの作品がどういう時系列で、どういう時空・次元の繋がりで、どう作用しあっているのか、という考察もシリーズの楽しみ方のひとつになっています。

今のところ、シリーズ全体の考察としては「3作目の科学実験によって時空の歪みが発生し、異次元から来た怪物が1作目と3作目の世界に現れた。一方で、パラレルワールド上の現代(2作目の世界)にも未知の存在が出現した」という推理が多数説です。

ですが、この多数説をもってしてもはっきりしない謎も残されていて、これから先でまた展開が変わっていくのではないか、という期待も高まっています。

 

斬新で衝撃的なプロモーションでも話題に

映画の内容だけでなく、斬新な宣伝方法も「クローバーフィールド」シリーズの特徴です。

まず、1作目「クローバーフィールド/HAKAISHA」は、謎めいた予告編と不気味なポスター以外一切の内容が分からない、という状態で公開され、この秘密主義がかえって口コミ的な話題を集めました。

さらに、映画の公開に合わせてフェイクの事故映像や架空の企業のホームページ・CMなどがネット上に公開され、「疑似ドキュメンタリー」という作風により奥行きを生み出しました。

 

続く「10クローバーフィールド・レーン」でも、ストーリーの全容が掴めない不気味な予告編のみが公開され、それからわずか1か月後には劇場公開が始まるなど、ファンの意表を突くプロモーションが実行されました。

 

そして、最新作である「クローバーフィールド・パラドックス」は、アメリカのスーパーボウルの最中に突然CMが流れ、試合の終了後にはNetflixで世界同時配信が始まるという、前代未聞の公開方法で注目を集めました。

 

映画の内容だけでなく、そのプロモーションでも映画ファンを翻弄し続けるところにも、J・J・エイブラムスのこだわりや遊び心が溢れていますね。

 

いつ公開?さらなる続編にも注目

そんな「クローバーフィールド」シリーズですが、既にさらなる続編の話も進んでいます。

現在J・J・エイブラムスが進めている新作映画「Overload(原題)」がその続編ではないかと噂されていましたが、エイブラムスは映画イベントではっきりそれを否定。

しかし、「クローバーフィールド」シリーズの正式な続編の製作も進んでいる、ということを明らかにしました。

続編はどんなストーリーになるのか、シリーズの時系列のどこに位置するのか、残された謎は解決するのか。

ファンとしては、今から期待が高まります。

 

最後に

謎めいたシリーズとして知られている「クローバーフィールド」ですが、その楽しみの醍醐味は、各作品を見て、つながりや真相を自分なりに考察する、という部分にあります。

どこまで深まっていくのか分からない、得体の知れない壮大な世界観は、SFファンならのめり込んでしまうこと間違いなしです。

さらなる続編が公開される前に、世界中が注目する「クローバーフィールド」シリーズの全容をしっかりと掴んでおきましょう。

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高栁晨太郎

高栁晨太郎

映画と音楽が好きなWebライターです。 主に洋画のアクション、SF、パニック、ホラーなんかを中心に観ています。 ブログもやってます→怠惰ウォンテッド( http://www.taida-wanted.com/) Twitterはこちら→ https://twitter.com/ashita_movie

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