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【考察】「ディープ・インパクト」と「アルマゲドン」で比べる「パニック映画」の2つの見せ方

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「ディープ・インパクト」と「アルマゲドン」で比べる「パニック映画」の2つの見せ方

大災害や未知の出来事によって、平和な日常が崩壊していく様を大きなスケールで描く「パニック映画」

ハリウッド大作の定番ジャンルとして広く人気を集めてきたパニック映画には、大きく分けて2つのタイプがあります。

似たシチュエーションながら全く異なるテイストの「ディープ・インパクト」「アルマゲドン」という2作品をもとに、そんなパニック映画の2つの見せ方の魅力について考察していきましょう。

 

「パニック映画」というジャンルの魅力

パニック映画の魅力は、まずなんといっても「大迫力の映像」です。

超ド級の災害によって街が崩壊し、文明や人類の存続すら危うくなるほどのピンチがCGを駆使した圧倒的な映像で描かれる様は、現実ではあり得ないスリルを体感させてくれます。

実際に起きたら洒落にならない描写が連発されることもありますが、フィクションだからこそ、その純粋な迫力だけを楽しめます

 

また、そんなパニックの中で描かれる人間ドラマも大きな見どころです。

家族愛、恋人同士の愛、友情、使命のもとでの結束……登場人物たちの様々なストーリーは、観客の感情を揺さぶって、映画の展開をさらに盛り上げてくれます。

 

そんなわけで、パニック映画は「ハラハラするド迫力の映像」と「パニックの中での人間ドラマ」によって構成されていると言えるでしょう。

1998年に公開された「ディープ・インパクト」と「アルマゲドン」は、どちらも「彗星の地球への衝突」というパニックを描きながら、このパニック映画の2要素の片方にそれぞれ特化した内容となっています。

その内容を比較して、類似のテイストの作品と併せて特徴を見ていきます。

 

「ハラハラさせる」ことで楽しませた「アルマゲドン」

アルマゲドン

「ダイ・ハード」シリーズなどで知られるブルース・ウィリス主演で、地球に迫る彗星を破壊するため、宇宙に向かう石油掘削チームを描いた「アルマゲドン」。

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科学的な考証やリアリティはあえて無視して、テンポがよくて大味なストーリーと、心臓がバクバクするような大迫力の映像で楽しませるタイプの作品です。

パニック映画の「パニック」の要素に重点を置いたこの手のタイプの作品は、「映画はストーリーよりも映像重視!」という趣向の人に広く支持されてきました。

 

同系統の作品としては、地球全土が大災害に包まれていく様を描いた「2012」、西アメリカを襲う大地震の恐怖を描く「カリフォルニア・ダウン」、世界を救うために地球の中心部(コア)を目指していく「ザ・コア」、ロサンゼルスのど真ん中に火山が出現する「ボルケーノ」などがあります。

どの作品も、批評的にはあまり評価されないながらも、ひたすらド派手なエンタメ作品としては間違いなく一級品の名作ばかりです。

パニック中の人間模様にフォーカスを当てた「ディープ・インパクト」

ディープインパクト

「アルマゲドン」とわずか2か月差で公開された「ディープ・インパクト」も、地球に彗星が迫ってくる中で起きるパニックを描いた映画です。

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「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのイライジャ・ウッドや名優モーガン・フリーマンなどが出演したこの作品は、彗星によるパニックよりも、彗星衝突を前にした登場人物たちの人間ドラマにフォーカスが当たって描かれています。

  • 長年不仲だった親子が絆を取り戻すストーリー
  • 人類を救うために犠牲になろうとする宇宙飛行士とその家族
  • 恋人を救うためにあえて危険を冒す主人公の青年など

ひとつひとつのエピソードがキャラクターの内面に迫り、「生きる」ということの重みを観客にじっくりと考えさせます

そこには生きた人間の息づかいまで感じさせる重厚なドラマがあって、分かりやすいハラハラと感動をもたらす「アルマゲドン」とはまた違った面白さがあります。

 

そんな「ディープ・インパクト」と同系統の作品としては、ラブロマンスやヒューマンドラマとしても高評価の「タイタニック」、未知のウイルス感染を徹底的なリアリティで描いた「コンテイジョン」、パニックの真相をあえて明かさず人間模様に着目した「ハプニング」、哲学的なテーマを問う「地球が静止する日」などが挙げられるでしょう。

こういった人間ドラマにフォーカスを当てた作品は、パニックシーンも派手さ重視のものよりリアルさを追求したものが多かったり、あえて派手な描写を控えめにしてストーリーの重みを深めることがあったりするのも特徴となっています。

 

最後に

痛快なエンタメ作品としてのパニック映画と、非日常の中で露わになる人間の内面をじっくりと描くパニック映画。

どちらのタイプの作品も、それぞれ違った見どころがあって楽しめる作品ばかりです。

そして、同時期に公開されて同じテーマをもちながら、パニック映画の2つの属性をそれぞれ持っている「ディープ・インパクト」と「アルマゲドン」は、「パニック映画」というジャンルの魅力を、別々の味つけで体感して比較するのにぴったりの作品ではないでしょうか。

同じ「パニック映画」というジャンルでも、それぞれの作品が何を重視しているのか考察して観てみるのも面白いですよ。

 

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高栁晨太郎

高栁晨太郎

映画と音楽が好きなWebライターです。 主に洋画のアクション、SF、パニック、ホラーなんかを中心に観ています。 ブログもやってます→怠惰ウォンテッド( http://www.taida-wanted.com/) Twitterはこちら→ https://twitter.com/ashita_movie

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