「ゾンビ映画」と聞くと、グロテスクでチープな低予算B級ホラーを連想する人も多いのではないでしょうか。
ですが、ホラー映画の一大人気ジャンルとして成長しているゾンビ映画の中には、ハリウッド大作並みの製作費で作られて、世界的に大ヒットを記録した作品もたくさんあります。
今回は、そんな「大ヒットしたゾンビ映画」たちを、歴代北米興行収入ランキングをベースにした独自のランキング形式で紹介していきます。
5位:ドーン・オブ・ザ・デッド(2004年公開)
まず第5位に輝いたのが、2004年に公開された「ドーン・オブ・ザ・デッド」です。
ゾンビ映画の金字塔的な名作ホラー「ゾンビ」をリメイクしたこの作品は、哲学的なテーマをじっくりと描いた原作から一転して、スピード感と刺激にあふれたアクションホラー大作に仕上がっています。
「ゾンビ=ノロノロ歩き」というイメージを打ち砕いた「全力疾走して襲ってくるゾンビの群れ」の描写はなかなかショッキングで、思わず「逃げてー!」と叫びたくなる恐怖を感じさせます。
興行収入1億ドルを突破して当時のゾンビ映画の新記録を作り、「単なるB級ホラーじゃない、エンタメ大作としてのゾンビ映画」の先駆けになった作品です。
4位:バイオハザードⅣ:アフターライフ(2010年公開)
日本発の世界的大ヒットホラーゲーム「バイオハザード」。
それを原作にした映画「バイオハザード」シリーズは、スタイリッシュでド派手な、新しいゾンビ映画像を作り上げてきました。
なかでも4作目の「バイオハザードⅣ:アフターライフ」は大きなヒットを記録して、クリスやクレア、ウェスカーといったゲームファンにはおなじみの人気キャラクターが登場して話題になりました。
ゾンビ映画の常識を覆すようなSFチックなアクションや、ふつうのゾンビからさらに進化を遂げた個性的なクリーチャーたちの描写など、ゲームのファン以外でも楽しめる見どころが盛りだくさんです。
3位:ウォーム・ボディーズ(2013年公開)
「ゾンビの青年が人間の少女に恋をしてしまう」という、異色のストーリーが描かれる「ウォーム・ボディーズ」。
おそらくゾンビ映画史上初の「純情ラブコメ胸キュン映画」です。
「生きている人間と動く死体」という種族の壁を越えて結ばれていく2人の主人公のストーリーは、まさにゾンビ映画版「ロミオとジュリエット」といった感じで、ドキドキしながら観ることができます。
ゾンビなのに人間くさくてシャイな主人公R(ニコラス・ホルト)を、ついつい「頑張れ!」と応援してしまうこと間違いなしです。
甘くて切ないストーリーだけでなく、人類とゾンビ、そしてゾンビからさらに腐敗が進んだ「ガイコツ」の戦いなど、アクション要素・ホラー要素もしっかりと見ごたえがあります。
2位:ゾンビランド(2009年公開)
「ソーシャル・ネットワーク」や「グランド・イリュージョン」シリーズのジェシー・アイゼンバーグ主演で大ヒットを記録した「ゾンビランド」。
ゾンビだらけになった世界を、気弱な青年と屈強な男、美少女姉妹の凸凹チームが旅していくロードムービー風のゾンビコメディ映画です。
それまでゾンビ映画の興行収入記録で1位だった「ドーン・オブ・ザ・デッド」を抜いて、ゾンビ映画史上最大のヒット作になりました。
主人公コロンバスが語る「ゾンビの世界を生き残るための32のルール」は、「車の後部座席はちゃんと確認」など、ホラーマニアなら笑ってしまうような「ゾンビ映画あるある」の要素が並んでいます。
1位:ワールド・ウォーZ(2013年公開)
2013年に公開された「ワールド・ウォーZ」は、制作費2億ドル以上、ブラッド・ピット主演という史上空前のスケールで製作されたゾンビ映画です。
興行収入は「ゾンビランド」も追い抜いて、全世界で5億4000万ドル以上を記録しました。
ゾンビウイルスが蔓延した世界で、アメリカや韓国、イスラエルなど各地を巡って感染の解決手段を探す主人公の奮闘が描かれるこの作品。
ゾンビの群れがまるで津波のようになって襲ってくる大迫力のパニックシーンは、ゾンビ映画のイメージを覆すスケールの大きさです。