【批評】「ワイルド・スピード」シリーズをどうしても好きになれない理由

「ワイルド・スピード」といえば、ド派手なカーアクションが魅力の大人気メガヒットシリーズですよね。

今やハリウッドを代表するロングヒット作品のひとつと言えるでしょう。

そんな「ワイルド・スピード」シリーズですが、筆者個人的にはそのストーリーを見ていて、どうしても「好きになれない部分」があります。

なぜ「ワイルド・スピード」をまっすぐに受け止められないのか、引っかかるポイントはここにありました。

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「ワイルド・スピード」のファミリーは正義か

「強盗犯」という動かない罪

「ワイルド・スピード」シリーズの主人公といえば、ヴィン・ディーゼルが演じる凄腕ドライバーのドミニクですね。

彼とその「ファミリー」たちの活躍、圧倒的なドライビングテクニックに支えられたアクションシーンこそが、シリーズの最大の魅力といえます。

ですが、1作目からこの作品を観ていてどうしても引っかかってしまうのが、「ドミニクたちって普通に極悪の強盗犯だよね」という部分です。

そもそも、元々の彼らはトラックや輸送車を襲撃して、何の罪もない一般ドライバーに危険を与えながら物資を奪うフリーウェイ強盗です。

「ワイルド・スピード」シリーズ前半の作品では、ドミニクたちの指名手配と逃亡がストーリーの軸になっていて、「犯罪者たちが警察やFBIから逃げ回る物語」でしかありません。

「強盗」という多くの人に迷惑をかけた罪を抱えたドミニクたちを、純粋に応援できるか?と言われると、どうしても引っかかりが残ります。

確かに映画の世界では「アウトローたちをかっこよく描く犯罪サスペンス」というジャンルもありますが、「ワイルド・スピード」シリーズの強盗シーンはあまりにも生々しすぎて「あざやかな手口を楽しむ」という雰囲気でもありませんでした。

世界を救えば過去の罪は消えるのか?

「ワイルド・スピード」シリーズ後半では、その実力を見込まれたドミニクたちファミリーが、世界規模のテロに立ち向かうというアクションサスペンス的な作風に変わっていきます。

そこではドミニクたちはまるで「俺たちが世界を救ってるんだ」といった雰囲気で行動していますが、果たして「世界を救えば過去の罪は消えるのか?」という疑問が浮かんでしまいます。

彼らが罪のない人たちに危険や恐怖を与えて大迷惑をかけた過去は消えないわけで、そんなファミリーが「今は政府の依頼を受けて世界のために動いてる」からといって、彼らを正義のヒーローとして描いていいのか?と考えてしまいました。

また、最近の作品(8作目「ワイルド・スピード ICE BREAK」)でも、白昼の大通りで他の通行車を邪魔しながらストリートレースをしたりと、明らかに自分勝手で大迷惑な行為をしています。

「自分たちが楽しくてかっこいいから」ルールを守っている人たちに迷惑をかけてもいい、というテンションは、いわゆる「不良」とどこが違うのでしょうか。

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ドミニクたちを手助けする人々は正義か

「強盗を見逃す」「逃亡を助ける」ことはかっこいい?

ドミニクたちの行動に疑問を感じてしまうと、彼らを手助けする人々の行いにも「?」が浮かびます。

まず、故ポール・ウォーカーが演じた、ドミニクたちの友人になる元FBI捜査官のブライアン。

彼は元々はドミニクたちの強盗事件を追う潜入捜査官だったはずですが、「ドミニクたちと友情を深めたから彼らの罪を見逃す」という、倫理的にはかなりアウトな行動に走ります。

挙句の果てには、捜査側を積極的に邪魔してドミニクたちの逃亡を助け、彼らの仲間になります。

「ヤンキーな男たちの熱い友情」といえば聞こえはいいですが、では警察・FBIとして犯罪者のドミニクたちを追っていた側はどうなるのでしょうか。

「こいつらは何件もの武装強盗を犯したけど、俺の友だちだから見逃せ」という理屈は通用しないでしょう。

シリーズが進めば過去作の罪は許される?

ドミニクたちの振る舞いや扱いについてもそうですが、「ワイルド・スピード」シリーズでは「シリーズが進めば過去作の罪は何となく許される」という雰囲気があるように思えます。

その最たる例が、ジェイソン・ステイサム演じる暗殺者のデッカード・ショウでしょう

彼はファミリーの一員であるハンを暗殺しながら、「ICE BREAK」では流れでドミニクたちと和解するような雰囲気を見せます。

また、スピンオフ作品「スーパーコンボ」では主役の一人としてコミカルでユーモラスなキャラクター性を見せており「大切なファミリーの一人を殺害した宿敵」という雰囲気はかなり薄れています。

デッカードが「冷酷な敵」から「愛される人気キャラクターの一人」にあっさりと立場が変わってしまったことについては、ファンからも賛否両論あります。

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最後に

「ワイルド・スピード」シリーズの見どころはあくまでド派手なアクションですが、それを純粋に楽しめる前提である「ユニークなキャラクターたち」の魅力について引っかかりを覚えてしまうのは、人によっては大きな問題ではないでしょうか。

「でもドミニクたちって強盗犯だよね」「でもデッカードってハンを殺したよね」という考えが頭をよぎってしまうからこそ、「ワイルド・スピード」シリーズを素直に楽しむのは難しく感じてしまいます

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