1997年度、トニー賞7部門受賞という偉業を成し遂げたミュージカルの映画版です。
罪を犯しながらもスターを目指す女性を主役に、ショービジネス界の光と影を描いています。
映画向けにブラッシュアップされた演出は、劇場ファンも納得の仕上がりだと言えるでしょう。
セクシーでスタイリッシュな歌とダンスに、ハマってしまうこと間違いなしの作品です。
スターになるため、手段は選ばない!
スターを夢見るロキシーは、華やかなナイトクラブで踊るヴェルマに憧れを抱いていました。
ショービジネス界にコネがあるという男性と不倫関係を持ちつつも、一向に芽が出ない毎日が続きます。
そしてある日、ロキシーは不倫相手の男性に騙されていたことを知り、逆上して相手を殺してしまいました。
刑務所に入った彼女は、同じく殺人を犯して入所したヴェルマと再会します。
有名人の受刑者として注目されていた彼女ですが、それも束の間。だんだんと落ちぶれていきました。
それと対照的に、敏腕弁護士によって悲劇のヒロインに仕立て上げられたロキシーは、一躍人気者となります。
そして無事に出所を果たしますが、人々は飽きっぽいものです。すぐに彼女を忘れてしまいました。
そんなロキシーに、ヴェルマがある提案をします。
『殺人犯2人組』として、コンビを組んでショーを行わないかと言うのです。
その思惑は狙い通り、2人は一気にスターダムへ駆け上がることに成功するのでした。
お洒落な大人向けミュージカル
振付や登場人物など、原作ミュージカルとは違う点もありますが、『シカゴ』の良さは失われていません。
映画としての演出を完成させることで、ミュージカルが苦手という方でも見やすい展開になっていると思います。
登場する楽曲も、全てが主役級で申し分なしです。何回でも見返したい作品に仕上がっています。
ストーリーについては、ハッキリ申しあげて、嘘や裏切り、犯罪がてんこ盛りです!
そう聞くと少し驚いてしまうと思いますが、決して重たい内容ではありません。
モラルに反した行動の全てがブラックユーモアとして活きていて、エンターテインメント性を高めている印象です。
衣装やダンスもセクシーなので、ファミリーで見るには刺激が強すぎるかもしれません。
冗談の通じる、お洒落な大人同士で楽しみたい映画です。
最後に
ミュージカル『シカゴ』の魅力がしっかり詰まった映画です。
この作品を見れば、ブロードウェイでロングランを続ける原作の人気にも納得できると思います。
セクシーな歌とダンスで気分を盛り上げたいときや、大人同士の映画鑑賞会にオススメです。