この『火花』という作品は、お笑いが好きな人ならば一度は聞いたことがあるかもしれません。
芸人『ピース・又吉直樹』の書いた作品が有名な芥川賞を2015年に受賞したことで、当時大きな反響を呼んでいました。
選定員も
と述べているように足りない部分もありますが、それを補うほどの面白さがありました。
その『火花』が今回、俳優『菅田将暉』と『桐谷健太』のダブル主演で映画化されました。彼らの熱い演技は必見です。
売れないお笑い芸人の話
ある日の営業の話です。
お笑いコンビ『スパークス』の徳永は、観客のいない中でも自分の漫才をつきとおす『あほんだら』の神谷の漫才に魅了されてしまいます。
それ以来、徳永は神谷に弟子入りし、常に漫才のような日常会話を楽しみ一緒にいました。
そんな中、努力の甲斐もあってスパークスは次第に売れていき、収入も増えますが、あほんだらは落ちぶれていき神谷さんとの連絡も途絶えてしまいます。
そのまま時は経ち、スパークルの人気もなくなり、結成10年で解散、サラリーマンになって働くことを決意しました。
しかし、神谷はまだ芸人の道をあきらめていませんでした。
そして、久しぶりに再会した神谷と徳永には以前のような掛け合いを変わらず楽しむ姿があったのです。
芸人さながらの掛け合い
作品中で神谷と徳永の間で交わされる会話が、終始漫才でも見ているかのように洗練されていて飽きませんでした。
なぜこの二人でコンビを組まないのだろうと思った方は、私だけではないはずです。
芸人さながらの掛け合いも演技力に定評のある菅田将暉と桐谷健太だからこそ成せるもので、俳優特有のぎこちなさみたいなものはあまり感じなかったので素直に映画に入り込めたのかと思います。
芸人を見る目が変わる
この作品を通して『芸人』という世界は、10年間あんなに死に物狂いで努力しても売れないことがほとんどな過酷な世界だと思いました。
また、今私がTVで見ているこの芸人さんも色んな努力をしてきたのかと思うと、少しTVに出ている芸人を見る目が変わりました。
よく目にする芸歴13年目というものが、どれほどその人がお笑いに思いをかけているのかが伝わってくるような気もして応援したくなります。
最後に
この作品全体として盛り上がりを見せる場面は少なく、見終わった後に心にジーンと残るように感じたのが印象的でした。
ある意味小説をそのまま映画にしたような作品で、こういった心に語りかけてくるような作品が好きな方は是非ご覧になってみてはいかがでしょうか。
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