「ゾンビ映画の父」であるホラー監督ジョージ・A・ロメロ。
そんなロメロの名作ゾンビ映画「死霊のえじき」をリメイクしたのが、2008年公開の「デイ・オブ・ザ・デッド」です。
哲学的テーマのゾンビストーリーを軽快なアクションホラーにリメイクしたこの作品は、サクッと楽しめるエンタメ映画に仕上がっています。
とある田舎町で起きるゾンビパニック
アメリカのコロラド州にある田舎町で、風邪に似た伝染病が広まりはじめます。
州軍はこの町を「演習」という名目で封鎖しますが、その部隊の中にはこの町出身の兵士、サラ=クロス伍長(ミーナ・スヴァーリ)もいました。
やがて、感染者たちの症状は悪化し、ついには狂暴なゾンビになって他の人々を襲いはじめます。
サラは町に住む弟やそのガールフレンド、軍の部下たちを連れて、ゾンビの脅威を逃れて町から脱出しようと奔走していきます。
さらに、サラたちがゾンビから逃げ惑っていくうちに、一連の出来事の原因となった軍の秘密実験が明らかになって……。
ゾンビがとにかく速い!怖い!
ゾンビといえば「死体が生き返ってノロノロ歩く化け物」というイメージの方も多いでしょうが、最近のゾンビ映画では「全力疾走するゾンビ」が主流になっています。
この「デイ・オブ・ザ・デッド」のゾンビたちも、元気に走り回りながら人間を襲います。
さらに、ただ走るだけでなく、壁や天井をダッシュで移動したり、建物の3階から窓を突き破って襲ってきたりと、「死体」とは思えないアクティブさを見せます。
あまりに速くて豪快な暴れっぷりは、思わず「怖っ!」と感じること間違いなしです。
息つく間もなくゾンビとの戦いがくり広げられるストーリーには、「バイオハザード」シリーズにも似たハラハラドキドキを感じられます。
映像的にも派手で、「ゾンビ映画=低予算のB級」というイメージをあまり感じさせません。
リメイク元となった「死霊のえじき」は、ゾンビで滅びた世界での人間同士のストーリーがメインとなるヒューマンドラマ的な作品でしたが、「デイ・オブ・ザ・デッド」は、エンタメ要素が強く、軽いノリで見られるアクション映画に仕上がっています。
ですが、「人間の言葉を理解できるゾンビ」の登場など、原作へのオマージュを感じられる設定も盛り込まれていて、ゾンビ映画のコアなファンもニヤリとさせられます。
最後に
原作とは大きく違う作品に生まれ変わった「デイ・オブ・ザ・デッド」は、よくあるゾンビ映画のジメジメしたイメージとは違った、アグレッシブでスタイリッシュな作品です。
ゾンビと人間の派手な戦いは、アクション映画としてもホラー映画としても楽しめるでしょう。
原作シリーズのファンも、迫力のあるモンスターパニック映画が観たい方も、是非一度見てみてください。